お茶づくりについて
当茶園では、奈良・月ヶ瀬の自然環境のリズムのなかで、茶樹本来が持つ自らの生命力で「お茶がお茶らしく育つこと」を意識した有機栽培そして自然栽培のお茶づくりに取組んでいます。
お茶は原材料がたったひとつの農産加工品であるため、何もない段階から袋に詰めてお届けするまで、一貫した方針と想いを繋げることができる魅力ある産物です。当茶園では、投入資材の選定 ⇒茶園管理 ⇒製茶 ⇒製品在庫 ⇒仕上げ加工 ⇒商品企画販売まで、すべての工程において自らの力で完結できることを大切に考えたお茶づくりに取組んでいます。
美味しい水を飲むように、スッと体に馴染んでいくような、何杯でも飲みたくなるような美味しさのあるお茶を、お届けさせて頂きたいと考えています。
毎年、茶園の畝間に敷き詰めている、ススキや落ち葉などの草木は、四季ある気候の中、じっくりと分解され、腐植となり茶樹の栄養の源となっていきます。茶園環境みずからの力で「まるごとの草木」を分解できることが重要で、そのような自然のリズムが毎年繰り返されていくよう働きかけをしていくことが、私たちの役割だと考えています。
私たちも生態系の一部なのだと意識することで、自然と向き合い、お茶本来の姿を見極める観察力を養い、お茶の特性を導ける技術を高めていきたいと考えています。
1984年当初は「健康に良くないもの(農薬や化学肥料など)は一切使わない、投入しない」という観点から安心・安全なお茶づくりを考え、取組んできました。しかし30年間つづけてきた中で、健康なお茶づくりとは、人が人らしく、お茶がお茶らしく育つことの中でこそ出来ることであり、大切なのは「いつの時代になっても変わらない大切なこと」とは何かを絶えず意識していくことだと考えるようになりました。
これからも「お茶の本質」に迫っていけるよう、お茶づくりに励んでいきます。
月ヶ瀬健康茶園 代表 岩田文明