7月10日 今日は雨降りのため、今年の一番茶のティスティングと土壌分析結果から、今年の傾向の確認と、来年に向けて、チーム内での勉強会をしました。
一回目は、5か所の茶園からつくった通常の煎茶の飲み比べ
・今年は、同じ品種の「やぶきた」で、隣どうしの茶園でも、特徴の違いがはっきりと出ていたので、品質よく育ったと感じました。
・梅が谷茶園の1区画で、昨年の秋から椎茸の廃原木のみを施すると決めた専用茶園では、まだその成果は製品となったお茶には出ていないように感じました。来年、椎茸の朽ちた原木から育つ甘い煎茶が出来ることを楽しみにします。
二回目は、5か所の茶園からつくった萎凋香煎茶の飲み比べ
・「さえみどり」萎凋香…バニラのような芳香と桃のような香味の後口
・「やまとみどり在来」萎凋香…穏やかに続く甘い香り。
・「やぶきた在来」萎凋香…甘いトップの強い香り。
・「在来」萎凋香…凍頂ウーロンのような中国系の香りが、体に吸い込まれていくような余韻。
・「やぶきた」萎凋香…口のなかに広がるフラワリーな上品さを感じる香味
それぞれの茶園毎に、明らかに特徴が異なる香気と味が出ていることを確認できました。
出来立てのため、まだツンツンとした若々しい風味があるため、まろやかになるまでしばらく冷蔵庫で熟成します。ひと夏こして、9月頃、もういちどティスティングしてから、香りの違いを楽しめる萎凋香煎茶としてデビュー予定です。
三回目は、6か所の茶園の緑茶品種からつくった紅茶の飲み比べ
・「さやまかおり」…柑橘系を感じる風味
・「やまとみどり在来」…ウッディ―な蜜系の穏やかな香味
・「在来1」…清々とした立体感のある若々しい風味
・「在来2」…甘く若々しい立体感のある風味
・「やぶきた」…バナナのようなフルーティーな香味
・「さやまみどり」…白ブドウのような香味
品種の特徴の違いがはっきりと出ていることが確認できました。
在来種は、立体感があるように感じました。
四回目は、5か所の茶園の主に紅茶品種からつくった紅茶の飲み比べ
・べにふうき…強くインパクトある「べにふうき」らしい体に残る香りと渋味、
・べにひかり…清涼感のある爽やかなメンソール系の香り。体に入ると、すっと消えていくような香味。
・べにほまれ…穏やかで上品さのある花香
紅茶品種の特徴の違いがはっきりと感じました。
●「やまとみどり在来」は、「普通煎茶」、「萎凋香煎茶」、「紅茶」、どの種類のお茶に製茶するのが適しているのか検討していますが、旨味成分が少なく、カテキンが比較的多く、葉が小さく厚い特性があること等から、「普通煎茶」より、萎凋をしてからつくる「紅茶」「萎凋煎茶」が向いているのではないかと考えています。
●紅茶品種は、定植して6~8年が経ち、少しずつ品質が安定してきました。。しかし樹齢が30~100年の緑茶品種からつくる紅茶は落ち着きがあるのに比べて、紅茶品種はまだまだ幼木のため、やんちゃな尖がったような特徴があるように感じます。落ち葉や草などを施し、土をつくり、地中の根量を増やし、茶樹が土の中のミネラルをしっかりと吸収できるような茶園環境を、引き続きつくっていきます。