「やぶきた」「在来」を栽培する「切り下し」茶園から、本来なら、東方向に伊賀盆地の景色を眼下に眺めることができるのですが、これまで東に隣接する耕作放棄地に生えている茶の木や笹、ススキが障害となり、何も見えない状状況になってました。
しかしながら、この耕作放棄地を、地域の地主の方からお借りすることができ、開墾して、茶の実を植えられることになりました。開墾することで、眺めが良くなった他、表土を耕したことで、この場所の土の特徴が良く分かる良い機会となりました。
この茶園が立地している場所の表土は、古琵琶湖層群の中でも、丸い石を多く含む地層になっていることは分かっていましたが、全体を耕したことで、粘土の層、砂利の層など、様々な土質があり、赤色を帯びた土が多いことが確認できました。
この場所に丸い石がたくさんあるということは、かつて、川(水の流れ)があったということが言えますが、 400~600万年前、切り下し茶園付近で大きな川があり、東(伊賀盆地≒古琵琶湖)の方向に向かって水が流れていたそうです(「名勝月ヶ瀬 学術調査報告(昭和32年11月3日発刊)」より )。
茶園管理をしながら遠くを見渡せるようになったことから、「この辺りの地質が形成された時代は、いったい、どのような風景だったんだろう」と、いろいろと想像するのが、より楽しみな場所になりました。
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