耕作が放棄されてジャングル化した茶園の再生に取組んでいる中で、ワラビやササの根が最も激しく侵入した状態になっていた茶園が「ゲンダラ2」でした。2016年4月に行った一回目の再生作業の様子はこちらです。
いったん、このような状態となった所は、継続的に作業を行いながらササやワラビを衰退させていくことが必要となります。自然栽培を営む中で、栽培したい作物を活性化させる栽培技術はもちろんのこと、除草したい植物を衰退させる技術も非常に重要であると考えます。そのポイントは、次の通りです。
・その年の茶樹、笹、蕨の生長具合は、その前年度に地下部の根がどれだけの栄養分を貯蔵出来たかによるため、茶樹は地上部の葉が光合成できる環境を、笹や蕨は地上部で光合成できない環境をつくることが重要になると考えます(図1)。
・化学的な手法を用いる際は不要な植物を瞬時に消滅させることが出来るということがポイントとなります。いっぽうで、生物的・物理的手法を用いる場合は数年後の基準に向けて、(活性化したい)茶樹のベクトルを上げることが出来るか、かつ(衰退させたい)笹と蕨のベクトルを下げることが出来るかが重要であると考えます(図2)。
このような事を意識した農作業を繰り返すことで、自然栽培でお茶づくりができる茶園に再生しています。