今から約500万年前の「古琵琶湖層群」の地質エリアでは、実に多彩な鉱物(粘土、礫、シルトなど)が群層になっています。3色、4色・・・・多い所では7色の鉱物が堆積して地層になっているエリアもあります。これらの多彩な鉱物は、まだ日本列島が大陸と陸続きだった時代、遥か西の方角に伸びていたとされる大きな川によって運ばれてきて、堆積したものであると考えられています。いったい、現在のアジア大陸の、どの辺りから運ばれてきたものなのか?、知る由もありませんが、大きな川で繋がっていた異国の地から運ばれきて、この場所に堆積していったということは想像できます。
奈良・月ヶ瀬の基盤岩類である領家帯は、約1億年前の造山運動によって、この地で形成された地質なので「ローカル的」なイメージがあります。いっぽうで古琵琶湖層群の地質は、領家帯よりずっと新しい年代になってから遠くから運ばれてきたもので、場所ごとに多彩な鉱物が、いろいろな積み重なり方をして堆積しています。場所ごとに採取した土を並べてみると、異国の鉱物を眺めているようで、月ヶ瀬に居ながらも「グローバル的」な気持ちになります。(2018年12月)