今冬は、地域に育つ草を刈って茶園に入れる工程を機械化することにも取組んでいますが、手作業を機械作業に変換していく時に大切にしたいと感じたことがあります。例えば、サラエを使って手作業で落ち葉を集める時、体に伝わってくる負荷を感じながら、力加減を微妙にコントロールすることで、土や石はそのままで、余分な体力を使わずに、落ち葉だけを上手に回収していくことが出来ます。そして、今冬、初めてミニユンボに装着した集草フォークで草を集めてみて、手作業で経験した感覚でレバー操作をすることが非常に重要であることを実感しました。このような例はたくさんあり、例えば収穫作業『「手摘み」⇔「鋏刈り」⇔「可搬式茶刈り」⇔「乗用式茶刈り」』においても、収穫する芽に手が直接触れるのは「手摘み」であり、同じことが言えると思います。
現代社会では、茶業だけでなく様々な分野において、あえて手作業を経験したりアナログ的な道具を使わなくても、既にデジタル化・効率化された便利な機械が身近に存在している時代です。だからこそ、便利な機械を使うことを前提とした作業をするのではなく、その工程の本質を還りみたうえで導入していくことが、有効的な活用ができ、さらなる進化に繋げていけるような仕事が出来るのではないかと感じました。