本日、 9 月に開催した手摘みイベントで、参加者みんなで摘んで、そのあと加工した紅茶を、発送しました。
毎年開催している、この手摘みイベントで大切にしていることは、その日(イベント当日)に、そのメンバー(参加者)で、摘んだ新芽だけを、小さな機械で製茶して、そのようにして出来上がった紅茶だけを、小袋詰めして、参加された皆さまに、お届けするということです。
今年は、次のような3種の紅茶ができました。
左から「在来」「やぶきた実生」「やまとみどり実生」
お茶は、飲み比べることで、特徴がわかりやすくなります
発酵を浅くすると、どのような特徴になるのか比較するため、「在来」は発酵時間を短くしたので、水色は薄く、滋味はすっきりとしたストレートに向くような紅茶になりました。
さらに同じ茶園の、異なる種類の実生茶を比較したく、同じように加工しましたが、今回は「やまとみどり実生」より「やぶきた実生」の方が、発酵が進む結果となりました。
今年は、当日の天候には、恵まれましたが、たくさん雨が降った直後の、手摘みイベントとなりました。
例えば、果物では雨上がりは「水っぽく」なるので、2~3日経ってから収穫するように、紅茶を製造する場合も雨が降って新芽に水分を多く含んでいる時は香気が発揚しにくい傾向があります。そのため、通常は雨上がり直後の、紅茶をつくるための収穫は避けてきましたが、イベントのため日が決まっていることから、ふだん経験しない学びがありました。
「新芽が水分を含んでいる時は香気が発揚しにくい」ことについて、
直感ではありますが、「大味になり、繊細で複雑な力強い香気を感じにくい傾向になる」と思いました。
今季のイベントでは、直前に降った雨が、とても悔しいですが、一生懸命みんなで摘み、全力で加工した、この日の紅茶を、大切にしたいと思いました。
和風特有の「甘い香味」が特徴ある紅茶に仕上がっています。
「やぶきた実生(左区画)」と「やまとみどり実生(右区画)」を比較する
2015年9月26日午後 キトロデ(馬)圃場にて
2015年12月22日
月ヶ瀬健康茶園 岩田文明