地域内には、茶の栽培が辞められ、30~40年経過して、笹林になっている所がたくさんあります。近代農業の波に乗り切れず、条件不利地のレッテルが貼られた「耕作放棄地」ということになりますが、今後20~30年先の茶業を新たな視点から考えた時、こういった場所でこそ、新たな展開が可能になる多様な要素がたくさん秘められていると考えています。そういったことから、笹林(耕作放棄地)を再開墾して、茶の実を撒いていく取組みを始めて、今年で3年目となります。
再開墾のときに大切に考えていることの一つとして、昔ながらの地形が壊されていない茶山で、勢い良く笹が育ってきた土(表土)に、茶の実を蒔くということです。 平成時代のほとんどは笹が育つことで表土をつくってきましたが、次の時代は実生茶が育つことで表土をつくり、これまでの時代には存在しなかった新たなスタイルの茶を創っていけるよう準備をすすめています。