地域の中に、昔は茶園だったが、耕作放棄され、現在は笹林になり落葉広葉樹や竹も生え始めている所がたくさんあります。そんな耕作放棄地の中に、「ここにお茶を植えたい」と思う場所もあります。しかし、耕作放棄されてから何十年も経過した所を再生するためには、大変な労力が要ります。そんな時、一つの目的だけを果たす仕事でなく、複数の大切な目的を果たせるような作業に工夫することで、「大変な労力」でなく「本来、必要だった労力」として、作業を進めることができるのではないかと考えます。
今回は、『耕作放棄されて30~40年経過した茶山「コイキビロ上」を開墾するための準備作業』を行うため、次のように4つの工程に分類し、適切な時期に適切な順序で進めていくことで、日常に近い労力で、同時に、本来必要だった作業を進めることが出来ました。
作業:その1「冬季に栽培している椎茸やナメタケの原木切り出し作業」
作業:その2「薪ストーブの燃料確保」
作業:その3「落葉広葉樹の枝葉をチップにして既存の茶園の畝間に投入」
作業:その4「笹を粉砕して、幼木園の畝間に投入」
私が住んでいる奈良・月ヶ瀬は、中山間地であるため、作業場所によって、作業環境が随分異なり、作業効率が良くない環境と思いがちですが、複数の目的を同時進行できるような感覚で、その都度、作業の組み立て方をを工夫していけば、仕事として成立していくのではないかと考えています。(2018年度 農閑期)