自然栽培の茶園管理を進めていく中で、日常、収穫回数を少なくするなど意識しながら樹勢を維持していますが、樹勢が弱くなってきた時は、深く刈込んで(中切り)、茶園の更新を図ります。慣行栽培では、一番茶の収穫を終えた直後や春に更新作業をするのが一般的ですが、自然のリズムで育っている(自然栽培や有機栽培)茶園環境の場合、どのようなタイミングで更新作業をすれば良いのか?。耕作放棄地の再生作業から学んだ、自然栽培茶園の更新方法について、考えて取組んでいることを紹介します。
茶の耕作を辞められて年数が経過している茶園を深く切った(中切りした)時、再生してくる芽には力があります(写真上部)。いっぽうで、収穫を繰り返して樹勢が低下(過度のストレスにより落葉)してきた茶園を更新した時、回復が遅く、園層が形成されるまで、数年を費やしてしまう場合がよくあります。その場合、樹勢が大きく低下するまでに(あと1~2年早く)更新作業を行うようにしていけば回復は早くなるのですが、この方法に加えて、耕作放棄茶園の原理から学び、活かせることがあります。
それは、毎年収穫を継続している茶園で、更新が必要になった時、直ぐに更新するのではなく、一番茶を収穫せずに初夏までのあいだ地上部の葉層をつくり、夏以降は地下部の根が育つよう、導いていきます。そうすることで、葉が育ち、根が育つことで、光合成が活発になり、根に栄養を蓄えた状態になると考えます。太陽光発電に例えると、パネル(葉)で太陽光から発電(光合成)を行い、エネルギー(栄養)を電池(根茎)に蓄える(充電≒栄養の貯蔵)という感じです。その結果、地下部の根が、前年より栄養を蓄えることができた状態で、更新される(地上部が切られる)ため、回復(再生)する力も強くなるということになります(下図参照)。
自然栽培の茶園管理において、茶が自然と育っていくリズムを活かすことを意識した栽培体系を確立していくことがとても重要であると考えています。