2017年の春、将来、茶の木が一株育つ地点ごとに種を5~8粒ずつ蒔き、一年が経ちました。観察していると、一斉に発芽した後、地点ごとの、お茶の苗どうしは、お互いが誘引し合うように、生長しているのではないかということに気づきました。5~8粒蒔いた地点を、一つの集合体とした時、「集合体ごとに生育具合が異なり」かつ「同じ集合体の中では生育具合が似ている」傾向があるからです。いっぽうで一粒だけポツンと離れた所で育つ一年生苗に比べて、苗床で育った実生の一年生苗の方が全体的に大きくなるという傾向もあるからです。
当初は、間引をするために、たくさんの種が必要だと認識していましたが、初期生育が良くなる効果もあるということになります。
今後、同じ集合体の中で誘引し合うかのように育つ苗の個体が大きくなるにつれて、競合し合わないようにボチボチと間引いくことが必要なのだと思います。さらに、成園になってから、地点ごとに残された茶株どうしが誘引しあうかのように育ち続けるということであるのなら、そのように育つ間隔を把握したうえで、最初から植えていくということが大切になってくるのだと思います。自然栽培を営んでいくうえで、非常に興味深い自然現象です。