月ヶ瀬健康茶園

文明語る

新茶案内2008

昨年5月 紅茶の茶摘み

昨年5月 紅茶の茶摘み

今年は毎週のように雪が積もり、子供の頃の冬を懐かしく思い出す冬となりました。ですが、雪は積もるものの気温は高く、原木椎茸の生長が早かったり、また、この春関西ではこれまでいなかった茶の害虫が発見されたりと、温暖化の進行が農業の営みを少しずつ狂わせている事を実感しています。そのような環境下で今年もまた、我が家の茶園では新芽はゆっくりと膨らみ始め、例年並みに収穫を始められることを見込んでいます。

1年のなかで最初に摘める一番茶は、ひと冬の間にとり込んでいた土や日光や肥料の栄養が少しずつ新芽を芽吹かせて、奈良・月ヶ瀬の朝夕の寒暖差(5~20℃)の大きい気候のなかでゆっくりと生長していきます。そして畑でかじる新芽の味は、そのまま製茶された新茶の味になっていきます。茶は古来薬としてその歴史が始まったとされています。この時期に「竹の子」や「ふきのとう」、「タラの芽」を食べるように、新茶の時期に新芽の勢いをまるごと飲んでいただきたいのです。そんな新芽をまるごと食べて(飲んで)おく事が一年を元気で過ごすためにも大切なことだと考えています。

我が家では予約頂いたお客様に収穫したてのお茶を一日でも早くお届けできるよう、日中収穫・製茶、夜袋詰め・箱詰めと新茶のシーズン家族一同精一杯頑張ります。今季もどうぞよろしくお願い致します。

新茶は5/20過ぎの出荷を予定しております。

 

紅茶のこと

今冬も紅茶製造工程を改良しました。茶葉が均一に、かつ、よく発酵するよう発酵前に茶葉を大小篩分けし、温湿度を管理できる部屋で発酵できるようしました。また“春摘み紅茶”と“夏摘み紅茶”の特徴の違いが茶葉の段階でも分るよう、紅茶作りをするなかでもう少し大胆に取り組んでみたいと考えています。

紅茶品種「べにふうき」の畑では4年目をむかえ、揃った新芽が収穫できる茶園となりました。今年はまとまった収穫を見込んでいます。今秋には、いよいよ日本で生まれた紅茶品種「べにふうき」でつくった紅茶をお届け出来そうです。硬化した茶葉では、これまでどおり「べにふうき緑茶」を製造する予定です。他の紅茶品種「べにひかり」「べにほまれ」はまとまった収穫にもう数年かかりそうです。詳しくは随時『紅茶班通信』でご連絡します。ぜひ紅茶班に参加下さい。

新しく植えた緑茶のこと

今春は、月ヶ瀬地域で最も標高が高い山の南東向きの急斜面に新たに「さえみどり」という緑茶の早生品種を植えました。この品種は、色が冴え、旨味成分がたくさん含まれているのが特徴です。この斜面は、防霜扇はいらないと言われるほど霜がかかりにくい場所で、ポカポカと暖かく、夕方は西側の森がカーテンのように西陽を遮ってくれる絶好の場所です。作業が大変な畑ですが、特別なお茶として今よりも1週間程早く収穫作業を行う予定です。

また現役の茶園の世代交代のために新たな畑もつくり、樹勢が強い「おくみどり」種の苗を植えました。ここは今後の気象異常への適応性や機械化にも対応できるよう作業効率のことも考慮しました。

十数か所点在する茶園ごとに、いろんなテーマを持ちながら、今後も我が家のお茶づくりを膨らませていきたいです。

2008年4月 月ヶ瀬健康茶園 岩田文明