月ヶ瀬健康茶園

文明語る

新茶案内2011

5月の手摘み

5月の手摘み

新茶のご案内をお送りさせて頂く季節となりました。

今年3月11日に東日本で発生した大地震とそれに伴う津波により、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

我が家のお茶をご愛飲下さっているひとりひとりのお客様が、日本全国各地のお住まいで、どのようにお過ごしなのかと思いながら、今年はこの文章を書いております。これまで当園は、ひとりひとりのお客様が、我が家のお茶を飲んで下さることで、少しでも心も体も健康になって頂きたいという気持ちでお茶づくりを続けて参りました。これまで大切に育ててこられた心や体が、これからもずっと健康であってほしいと強く願っております。そのために、今年はこれまで以上に自分たちができることがなにか、そして1件の小さな茶農家として、社会の中で果たすべき役割をよく考え、みなで懸命に励んでいきたいと考えております。

今年は、気温が低く雨の少ない春となり遅かった昨年よりさらに一週間、例年より二週間以上の遅れで、ようやく新芽が膨らみ始めました。まだ霜の降りる寒さがあり、これから順調に生長できるよう祈るばかりです。

一年の最初に収穫する一番茶は、秋から冬にかけて、根や茎にじっくりと蓄えていた土や日光や肥料の栄養が少しずつ新芽を芽吹かせていきます。そして奈良・月ヶ瀬の、朝夕の寒暖差(5~20℃)の大きい山間地特有の気候のなかでゆっくりとゆっくりと生長することで、重みのあるひき締まった新芽となります。収穫を迎えた頃、茶畑でかじる新芽の味は、そのまま製茶されたつくりたての新茶の味になります。茶は古来、薬としてその歴史が始まったとされています。この時期に「竹の子」や「ふきのとう」、「タラの芽」を食べるように、新茶の時期に新芽の勢いをまるごと飲んでいただきたいのです。夏は「葉」を、秋は「実」を、冬は「根」を、そして春には「芽」を、というように、この季節だからこそ、新芽をまるごと飲む(食する)事が一年を元気で過ごすためにも大切なことだと考えています。

我が家では予約頂いたお客様に収穫したつくりたてのお茶を一日でも早くお届けできるよう、収穫・製茶、袋詰め・箱詰めと新茶のシーズン、精一杯頑張ります。

今季もどうぞよろしくお願い致します。

新茶は5月末頃の出荷を予定しております。

6月番茶の袋運び

6月番茶の袋運び

チーム岩田を結成します

当園ではこれまで家族を中心とした農業を続けてきました。しかしながら、お茶づくりの安全性の追求や品質の向上、そして何よりも50年先継続していける農業を考えたとき、月ヶ瀬健康茶園での仕事をライフワーク(生き方としての仕事)と考え、共に歩んでいける異なる世代の力の必要性をここ数年特に感じてまいりました。

そんな中、共に価値観を共有しながら歩んでいける出会いが昨年8月にあり、この4月から新たにその二名を迎え、チーム岩田として共にやっていくこととなりました。

チーム岩田は、月ヶ瀬健康茶園が今後の社会情勢が不安定になってもお茶をつくり続け、次世代に引き継いでいけること。土作りから袋詰めのお茶に仕上げるまでを月ヶ瀬健康茶園の一貫した考えの中でやっていくこと。そして畑に施す肥料等(資材)の安全性を追究するため地域内で循環していくシステムを構築すること(冬季に栽培している椎茸の原木やススキや笹等の草など、出来る限り茶畑に近い所で入手できる資材で茶園を育てること)。そしてやはり次の世代の生活にもお茶はあってほしいので、日本の喫茶の楽しさを、茶摘みや喫茶の会などの体験型の企画を通して伝えること。また自らの衣食住もその姿勢を持ち、米野菜等の自給を徹底すること。それが昨年夏に決めた内容でした。この3月の震災後もその方向性は変えることなく、しかしながら優先順位を考えスピードアップをして取り組みが始まっています。

今後もこれまでと変わりなく、安心・安全・本物を循環させていく新たな有機農業を目指し堆肥づくりから、畑仕事、加工、イベント企画等、作業ひとつひとつを皆で気持ちを込めながら、力を合わせて頑張りますので、よろしくお願いいたします。

2011年4月 月ヶ瀬健康茶園 岩田文明