椎茸原木にするため、ナラやクヌギ等の樹木を伐採した後は、その他に生えている雑木も皆伐採して、山を片付けます。切り株に陽が当たることで、山が再生できるよう、働きかけをします。伐採直後、はげ山となった山も、一年目には切り株から新たな芽が出て、20年ぐらい経過すると、再び椎茸原木にするために伐採できるほどに再生します。このように昔から、地域の落葉広葉樹林は、20~30年の周期で、再生を繰り返しながら維持してきたという経緯があります。
そこで、その再生していく過程で、伐採から2~5年が経過した頃にタラの木が出現する時期(植物遷移)があることに気づきました。椎茸原木を、毎年、伐採して山を再生することで、毎年、順次、タラの芽を採って食べる楽しみが継続できるということになります。
今年も、タラの芽が採れるはずの山で、たくさん収穫することができました。地域循環を主体とした農業を営むということは、ひとつの目的だけを果たすことではないのだと、今年もタラの芽の美味しい天ぷらを頂きながら、改めて実感しました。